タブレット端末でロボットカメラを遠隔操作する日裏町長
橋の上からロボットカメラを設置

 印南町と国交省紀南河川国道事務所・近畿道路メンテナンスセンターは6日、羽六の町道樮川みなべ線(黒潮フルーツライン)に架かるイタテゴ橋で、新技術を使った橋梁点検のデモンストレーションを行った。日裏勝己町長はじめ町職員、近畿地方整備局職員ら関係者が参加し、設備業者から最新技術の説明を受けた。

 橋梁点検は5年に1回行われ、点検車やロープを用いて点検員の目で確認する近接目視という方法で行われるのが一般的。しかし、点検を行うには道路使用許可などの申請手続きが必要で、通行規制をかけ、交通誘導員を確保するためのコストも要する。

 この日紹介された最新技術は、障害物との衝突を回避しながら全方位で映像を捉えられる小型ドローンと、遠隔操作で高所からでも点検できるロボットカメラ。これらを使うことで交通規制をかける必要もなくなり、コストも従来から3~4割削減できるという。作業に伴う危険も解消され、より安全にかつ低コストで点検ができるようになる。

 会場となったイタテゴ橋は、橋脚の高さが約40㍍の高所に位置する。5年に一度の点検では、作業員が橋の上からロープで下り、近接目視で点検を行っている。周囲は山で、作業にも危険が伴う。

 日裏町長も実際にロボットカメラの操作を体験した。橋の柵に設置したロボットカメラは橋面上から4・5㍍下まで撮影でき、タブレット端末を使ってカメラを遠隔操作できる。日裏町長は説明を受けながらタブレット端末を手に、「スマホのように操作できますね」と最新技術に感心していた。

 紀南河川国道事務所によると、これらの技術は県内の橋梁点検で導入が始まっており、御坊市の天田橋の点検でも使われている。