新型コロナの感染が全国的に落ち着いてきて、少しずつだが着実に元通りの生活をとりもどしつつあることを実感できるようになってきた。スポーツ大会も人数制限こそあれど有観客で行われることが多くなってきて、声援は禁止ながら1プレーごとに大きな拍手で選手を後押しでき、何より選手たちにとっては励みになっていることだろう。筆者も二女の高校最後の部活の応援にようやく行くことができ、プレーを目の当たりにすることができた。勝敗はともあれ、全員が自分の得意なプレーを存分に発揮していて、感動させてもらった。

 あらためて感じたことは、勝ちたいという気持ちを持ち、全力を発揮しようとする姿勢に人は心を打たれるということ。相手の弱い所ばかりついて何としても勝つのではなく、自分たちが磨いてきた技術を本番で発揮しようとするかが重要で、勝敗にばかりこだわれば、勝ってもすっきりしないこともある。小学生など幼少期はとくに勝敗にこだわらず、あんなプレーができるようになりたいという自分なりの目標を立てることが大事なのだと教えることが求められているのだろう。以前も書いたが、柔道連盟が小学生の個人種目の全国大会を中止にしたのはその表れの一つだろう。

 さまざまなジャンルのスポーツで、小学生や中学生のときにすごい記録をたたき出して、将来楽しみだと思っていた選手が高校や大学に進学してから伸び悩むということをたくさん見てきた。また、その逆のケースもたくさんある。何が正解かは分からないが、スポーツはやる人も見る人も楽しむことが大前提。二女のチームは最初から最後までみんな笑顔いっぱいだったのが一番印象に残った。(片)