優勝して全国出場を決めた林副士長、垣内消防士、湯川消防士(左から)

 県内の消防隊員が訓練の成果を競う第50回県消防救助技術会(県消防長会主催)が1日、和歌山市の県消防学校で開かれ、ほふく救出の部で、日高広域消防本部の湯川晃生消防士(22)=本署=、林大記副士長(24)=警防課=、垣内大成消防士(24)=中津出張所=のチームが優勝。8月26日に東京で開催される全国大会出場を決めた。同消防本部の隊員が優勝するのは8年ぶり、ほふく救出では初めて。

 ほふく救出は3人1組で、1人が空気呼吸器を着装して長さ8㍍の煙道内を検索し、要救助者を屋外に救出した後、2人で安全地点まで搬送。安全確実性と所要時間を競う。
 今回は23チームが出場し、1位のみ全国大会に進出。全ての作業を正確に行っての減点なしが入賞の条件で湯川消防士が救助者、林副士長が補助者、垣内消防士が要救助者を務めた。

 3人は昨年からチームを組み、前回は入賞ならず。今年は2月からほぼ毎日の訓練を開始し、昨年ミスしたロープの整理作業を中心に練習を重ねた。御坊市消防本部との合同訓練でアドバイスももらい、チーム結成当時に1分ぐらいだったタイムはベストで36秒へ短縮。本番は18番目の出場で「落ち着いて、いつも通りやろう」と臨み、入賞3チーム中最速の41秒51をマークした。

 昨年は出場順がトップで、さらに初めてだったため緊張し、「何も分からないうちに終わった」と3人。今年は県大会優勝という目標を達成し、ハイタッチで喜びを分かち合った。林副士長は「ほっとしています。全国大会でも上位、優勝を狙いたい。指導者や他の職員の支えがあってのこと。感謝の気持ちを持って最高の結果で応えたい」、湯川消防士は「全国大会まで3カ月、もっとタイムを短縮し、33秒台を出して、上位にくい込めるよう頑張りたい」、垣内消防士は「全国大会でも減点を取られないように。優勝へ、2人がやりやすいようサポートしていきたい」。阪口悟消防長は「3人には日高郡民の信頼と負託に応えられるよう引き続き訓練に励んでもらい、全国大会では実力を十二分に発揮しての上位入賞を期待したい」と話していた。

 このほか、日高地方からはロープブリッジ渡過で日高広域の永井開副士長、中村翔汰消防士、庄司朋也士長、舩本佑哉消防士、石井太基消防士、ロープ応用登はんで御坊市の古田勝也士長・千道裕介士長組が入賞した。