世間では、さまざまな出来事が起こる。それは新聞やテレビで報道されるほか、職場や家族などでの身近なニュースもある。明るい話題もあれば、暗くて悲しいニュースもある。その量は無限。そして、時間の経過とともにインパクトが少なくなりがちで、記憶の隅へと追いやれてしまう。最後に忘れ去られてしまうこともある▼先日、山梨県道志村の山中で子どもとみられる頭蓋骨の一部や服などが発見された。約3年前に近くのキャンプ場で行方がわからなくなった千葉県成田市の小倉美咲さん(当時小学1年生)とみられている。このニュースの一報を聞いた時は当時にあれほど騒がれていたにも関わらず、記憶をたどって思い出すのに時間がかかった。もしかして今回の件がなければ、一生、思い返すことがなかったかもしれない▼新型コロナのニュースについても最初は大きく報道され、当初はクラスター(集団感染)が発生すれば、トップ記事で報じられたこともあった。だが、最近は感染者数が減っていないにも関わらず、新聞記事の扱いは以前と比べて小さくなっている。それだけコロナに対して住民の関心は低くなったといえるのではないだろうか。終息してしまえば、記事になることは滅多にないだろう▼しかし、中にはいつまでも心に止めて置かなければならないニュースがある。戦争や災害など将来の教訓として生かす必要がある出来事だ。今、起こっているロシアのウクライナ侵攻もその1つ▼関心を持つことは容易い。しかし、関心を持ち続けることは難しい。節目、節目で思い返し、途切れ途切れになっても考え直す。そして起こった出来事を未来へとつなぐ。新聞の報道がその一助になればと思う。(雄)