迫田さんと一緒に練習する日高高生

 悲願の国体成年女子バレー本選出場を目指す県代表チーム・和歌山クラブ主催の初めてのイベント「556(こころ)仲間とつながる」が21日、御坊市立体育館で開催された。地元日高高校と和歌山北高校女子バレー部との合同練習会で、ゲストに2012年ロンドンオリンピック女子バレーの銅メダリスト、迫田さおりさんと中道瞳さんが来坊。楽しむことや目標を持つことの大切さを伝えた。

 新型コロナで人と人とのつながりが希薄になった今、仲間との絆を深める機会を作り、バレーや和歌山クラブのことをもっと知ってもらいたいと、和歌山クラブ監督の芝田安希さん(御坊市役所勤務)が初めて企画した。

 芝田監督がVプレミアリーグの名門東レ・アローズ主将時代、リーグ3連覇を達成したチームメートの迫田さんと中道さんが応援に駆け付けた。

 和歌山クラブと高校生が入り混じってウォーミングアップからボールを使った基本練習を実践。オリンピアンも生徒らと一緒に練習し、元アタッカーの迫田さんは「準備運動でキャッチボールするときも、アタックを打つ動作を意識してやろう」、元セッターの中道さんは「オーバーハンドパスは両手で三角おにぎりの形を崩さず、視野を広くすることが大事」とアドバイスしていった。コート練習でもコーチ役を務め、選手を鼓舞しながら一緒に汗を流した。高校生同士の試合をじっくり観戦し、ポジション別に具体的な動きを指導していた。迫田さんは「みんなすごく吸収しようと一生懸命やってくれたし、和歌山クラブのプレーを見ていい勉強と刺激になったと思う。とにかく楽しんでバレーを続けていってほしい」、中道さんも「目がキラキラして元気がよかったのが印象的。目標を持って、それに向かって努力することを大事にしてほしい」とそれぞれメッセージを送った。

 観覧自由の2階席には子どもから年配者まで多くの人が来場し、活気のある練習やレベルの高い試合を楽しんでいた。芝田監督は「多くの人が来てくれて本当にうれしい。これからもこんな機会を積極的に開いて、応援してもらえるチームにしていきたい」と話した。