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打倒ロシアの結束の裏で

 ロシアとウクライナの戦争は停戦の兆しも見えないなか、腹の内はすでに戦いが終わったあとを見据えているのか。欧米各国の首脳が激しく動き、国際社会の安定と平和をうたい、それぞれ自国の国益のための布石を打っている。

 先月26日、米国国防長官の主導で、西側の40カ国以上の代表が集まった。会議の目的はウクライナの支援。NATO加盟国の国防トップも顔をそろえ、具体的な武器の供与について協議したという。

 自由と民主主義、人権を尊重する勢力として、反独裁・全体主義への結束を確認。G7各国が相次いで榴弾砲、対戦車ミサイル、戦車、ヘリなどの追加供与を決め、スクラムを強化した。

 もちろん、会議には日本も入っている。岸田首相はさしあたり、3億㌦の支援と防弾チョッキ、医薬品等の提供を表明したが、ウクライナ外務省の感謝のツイートに日本の名前はなかった。他国に比して貢献の印象は弱いということであろう。

 ドイツは当初、ヘルメット5000個を送るとして失笑を買ったが、今回の新たな同盟の会合では、ゲパルト対空戦車50両を提供すると表明。その後も国防費を他のNATO加盟国並みに、現状のGDP比1・5%から2%以上に引き上げると発表した。

 これほど短期間に安全保障の大転換を決断した理由は何か。かつて日本がドイツやイタリアのファシズムに傾斜し、「バスに乗り遅れるな」と帝国主義を突き進んだのと同様、慌てて新たな同盟へのコミットを示したようにも見える。

 西側、NATO結束の目的は完全に一致している。同時にウクライナ後の主導権争いも熱を帯びている。中国の脅威を喉元に突きつけられている日本、取り残されてはいけない。(静)

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