阪和自動車道・湯浅御坊道路は昨年12月、それまで有田ICまでだった4車線化が印南ICまで開通。日高地方以北は渋滞が解消され、和歌山方面への往復がスムーズになった。半面、印南IC以南はやはり休日などになると渋滞する区間があり、アフターコロナの観光客を県内に誘導するためにも、高速の紀伊半島一周とともに4車線化の早期実現が必須だと再認識させられる。

 そんな中、印南ICまで4車線化が開通して初めて迎えた今年のゴールデンウイーク。3年ぶりにコロナの行動制限がない大型連休でもあり、予想通り高速道路を通る南向きの車が増加し、印南IC以南が渋滞。するとどうなるか。車は渋滞を回避するため、印南ICで降りて国道42号を走る。筆者は4日に田辺へ買い物に行くため国道42号を走ったが、確かに印南町やみなべ町内で渋滞していた。その時はちょうど昼時だったこともあって、沿線の飲食店では店の外まで順番待ちの行列ができるほどの大繁盛。渋滞に巻き込まれると、ちょっとどこかに寄って休憩したり、食事をしたりしたくなるものだが、これは印南町やみなべ町にとっては外貨を獲得し、まちをPRするチャンスでもある。連休にだけ沿線で地元産品のテント販売をするのも手かもしれない。そういった意味では印南漁港に先月下旬グランドオープンした観光・交流拠点「かえるの港」は印南ICから降りてすぐにある絶好のポイントと言えるだろう。今後、高速4車線化がさらに南伸することは歓迎だが、4車線化された地域は〝扇風機の裏側〟となることも確か。いまのうちにしっかり観光客を捕まえて離さない工夫が必要だ。(吉)