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和歌山南陵高 教職員ストで授業取りやめ

 学校法人南陵学園(静岡県)が運営する日高川町の私立和歌山南陵高校で11日、教職員のストライキで授業が行われない事態が起こった。学校によると、今月9日、料金未払いでガス供給が止まり、寮生の食事や入浴が提供できず生徒の安全が脅かされたことや、教職員への4月分の給料が未払いなど法人側の不誠実な対応が背景にあるという。12日には通常授業が再開され、保護者からは「いい方向に向かってほしい」との声が聞かれた。

 学校などによると、23人分の給料が、4月28日に振り込まれなかった。法人は、御坊労働基準監督署から5月20日までに支払い方法などを明確にするよう是正勧告を受けているという。

 発端は今年4月、国から就学支援金が交付されたことに伴い、保護者へ返金しなければならない授業料の一部に還付遅れが生じたこと。学校側は、会計事務全般を担当している法人側に保護者への説明会の開催を再三求めているが、実現していない。加えて給料の未払いが起こり、さらに今月9日には2カ月分の滞納によりガス供給がストップ。料金を振り込んで翌10日午前に再開したが、この間、寮では夕食が作れず、入浴もできない事態となった。寮生約140人の生徒たちには弁当を手配し、入浴施設に送迎した。このような事態に学校側は10日、理事長に対して保護者と教職員に説明会を開くよう再度文書で要求。やり取りの中で不信感が募り、ストライキに踏み切った。

 その後、理事長から電話で教職員向けの説明会を13日に開くことが伝えられたことなどから、当初13日までの予定だったストを1日限りとし、12日から授業を再開した。この間、生徒は午前中を教室で自習し、午後から部活を行った。保護者向けの説明会は6月20日までに開催する方向で調整されているという。

 学校の代表者は「学校は安全であることが大前提だが、寮生の生活が脅かされ、給料未払いで教職員が離職すれば授業が成り立たなくなる。法人側に理解してもらうためだった」と苦渋の決断だったとし、「授業を止めたことは心が痛く、生徒と保護者には謝罪します」と話した。法人の担当者は「報道各社には一律の説明をする機会を設けることを考えており、現時点では個別の回答は差し控えます」とした。

 県によると、県内の学校で教職員のストライキは初めてで、極めて異例という。

 保護者の一人は「子どもたちがいい環境で学校生活を送ることを考えての行為だったのかなと思うしかない」と理解を示しつつ、「勉強に部活に頑張ろうと入学した生徒たちのことを一番に考えてほしい。今回をきっかけにいい方向に向かうことを願っています」と話した。

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