安珍を追って道成寺の石段を駆け上がる大蛇

 日高川町鐘巻の道成寺で27日、3年ぶりに鐘供養会式が行われ、多くの見物人でにぎわった。

 最大の呼び物「ジャンジャカ踊り」は、安珍清姫会のメンバーや和歌山南陵高校の生徒らが、清姫の化身として21㍍もの張り子の大蛇を担ぎ、日高川河川敷(藤井側)から道成寺へ向かって出発。JR踏切付近からは、編み笠に着物姿の踊り子約20人が鈴を手に踊りながら大蛇を先導し、山門下からは天音太鼓保存会の力強い太鼓演奏も加わった。

 石段では、炎に見立てた赤い煙を吐きながら一気に駆け上がり、境内を練り歩いたあとは、川辺西小5年の坂本卓斗君ふんする安珍役が隠れた鐘に巻き付いた。

 境内や参道に多くの露店が並び、大道芸人のみぞんさんもジャグリングを披露するなど盛り上げ、周辺の子どもや観光客でにぎわっていた。

 蛇の担ぎ手を務めた和歌山南陵高2年の柴本侑斗君(東京都出身)は、「安珍清姫物語を知りませんでしたが、参加させてもらい、いい経験になりました。蛇の頭は重く大変でした。道成寺が近づくとアドレナリンが出て興奮。楽しかったです」と話していた。