御坊バイオマス発電所完成予想図

 県や御坊市は20日、同市塩屋町南塩屋の日高港工業団地内に新しく、JAG国際エナジー、大阪ガス、SMFLみらいパートナーズの3社共同出資による「御坊バイオマス発電所」の建設が決まったと発表した。燃料に木質ペレットやパームヤシ殻を使う発電容量5万㌔㍗の木質バイオマス発電所で2025年9月の運転開始を予定。企業誘致が課題の一つだった日高港の振興とともに、地元雇用や地域活性化に大きく期待が膨らむ。

 発表によると、御坊バイオマス発電所は、これまで全国各地で木質バイオマス発電所の開発や事業運営に携わってきたJAG国際エナジー株式会社(東京、坂根多加弘代表取締役社長)、大阪ガス株式会社(大阪、藤原正隆代表取締役社長)が各35%、再生可能エネルギー関連事業の豊富な経験があるSMFLみらいパートナーズ株式会社(東京、寺田達朗代表取締役社長)が30%を出資する「和歌山御坊バイオマス発電合同会社」が建設、運営。日高港工業団地の約7万平方㍍で再生可能エネルギー固定価格買取制度の適用を受けた木質バイオマス専燃発電の事業を行う。

 木質バイオマス発電は、二酸化炭素(CO2)を吸収する樹木が燃料。再生可能エネルギーに分類され、天候に左右されない安定電源としても位置付けられている。年間発電量は約3億5000万㌔㍗時で一般家庭の約11万世帯分。燃料は海外から年間約20万㌧を輸入する。工事は23年5月から取りかかるという。

 市によると、この事業は14年ごろから計画が進められ、21年にJAG国際エナジーが継承。仁坂吉伸知事は「バイオマス発電は再生可能エネルギーの普及にとどまらず、地域における雇用の創出や経済の活性化への貢献も見込まれる。大変喜ばしく県を挙げて応援していく」、御坊市の三浦源吾市長は「日高港工業団地への企業進出は市の発展、港の活性化への大きな一歩。市では3月18日に環境保全協定を和歌山御坊バイオマス発電合同会社と締結しています。今回の企業進出にあたって近隣住民や関係事業者の方々にご理解をいただき感謝しています」、二階俊博衆院議員も「日高港の活用に大変喜ばしいことで、期待される日高港のさらなる発展に、今後も引き続き取り組んでいきたい」とコメントを出した。