低温貯蔵されたデコポン

 御坊市島のJA紀州不知火(しらぬい)貯蔵施設で15日、ブランド柑橘「デコポン」の後期選果がスタート。約1カ月半、低温庫でおいしさを保って貯蔵された果実は、大阪中央青果に出荷される。

 デコポンは、濃厚な甘さとまろやかな酸味で皮がやわらかくむきやすいのが特長。年明けから収穫が始まり、通常は2、3週間の自家貯蔵後に出荷されるが、後期デコポンは同貯蔵施設の低温庫で約1カ月半寝かせて熟成。4月中旬から5月初旬にかけて出荷される。

 今年のデコポンは、秋に雨が少なかったことなどが影響し、果皮障害があったため、低温貯蔵されたのは昨年より少なく、デコポン全体の出荷量の27%に当たる約40㌧。貯蔵で出荷を遅らせることで、ほかの柑橘が店頭に並ばないこの時期に販売でき、通常より2、3割高値で取り引きされる。JA紀州では10年ほど前から後期デコポンの出荷を行っており、庫内換気や温度・湿度の管理、鮮度を保持する袋の使用など、先進地の視察も行い、おいしさを保ったままの貯蔵法を確立した。

 この日は、袋に入れて貯蔵されていたデコポンを選別スタッフが丁寧に箱詰め。初売りとなる18日には、芝光洋組合長が大阪中央青果市場で仲買人らに直接、後期デコポンをPRする。新型コロナの影響で芝組合長のトップセールスは3年ぶりとなる。

 川辺選果場の販売担当竹山雅崇さん(38)は「一つひとつ手作業で選別し、品質管理を徹底しています。味も良いのでぜひ味わってください」と話している。

 日高地方では、印南町のフレッシュマート特産品直売所で販売する。