新しい指揮車から指揮台を引き出す隊員

 日高広域消防は、火災や救助の災害現場に出動し、情報を集めて作戦を立て、指示を与える車両「指揮車」を20年ぶりに更新。日高町の本署に配備し、運用を開始した。

 2001年に導入した「指揮支援車」の老朽化による更新で、新しい車両は、ワンボックスタイプで、ハイルーフ、スーパーロング形状。あらゆる災害に対応し、悪路での走行を可能にするため4輪駆動で、現場への人員投入や訓練での使用を考慮し、定員は古い車両の3人乗りから7人乗りにした。

 大規模災害に対応するため、車両後部に各種資機材を積載する収納棚を取り付けているほか、ストレッチャー式の指揮机を収納。容易に出し入れできる構造になっている。後部座席には現場へ向かう間に情報収集や指揮活動ができる作戦室を設置。外装は夜間や高速道路上での視認性向上へ赤色警光灯や反射板を取り付けている。

 指揮隊に災害現場到着後、現場の指揮体制を確立するため、迅速な情報収集が求められる中、指揮机とホワイトボードが一体となったストレッチャー式指揮机を導入。展開に要する時間を圧倒的に短縮、隊員1人でも設置できるほか、ストレッチャー式のため、災害現場の状況に応じ、指揮本部位置の移動も容易で、付属の棚には書類や小物類も収納できる。

 車両の金額は約950万円、購入先は有田川町の㈱山口商会和歌山有田営業所。村嵜一人署長は「新しい指揮車を有効に活用し、災害現場で指揮体制を統制、部隊を効率的に展開し、住民の方の生命・財産を守っていきたい」と話している。