みなべ町側で急ピッチで工事が進む田辺西バイパス

 みなべ町との境界付近の田辺市芳養町から高速道路南紀田辺インターへ直通する道路として、国土交通省紀南河川国道事務所が工事を進めている国道42号田辺西バイパスが間もなく完成し、3月20日から供用開始されることになった。1997年の事業化から25年、待望の道路がようやく全線開通する。田辺へのアクセスが短縮されて利便性が向上するほか、防災の道としても期待されている。

 田辺西バイパスは近畿自動車道紀勢線南紀田辺インターへのアクセス道路としての役割だけでなく、国道42号の交通渋滞の緩和、地域住民の利便性の向上、交通安全、災害時の交通確保を目的に1997年に事業化された。

 南紀田辺インターから、みなべ町堺との境界付近の田辺市芳養町大屋まで結ぶ総延長3・8㌔のアクセス道。2001年度から工事が始まり、07年度には同インターを起点に4車線の600㍍区間が供用スタート。さらに14年度には芳養町清地路地内までの2車線1・6㌔間が完成し、供用が開始されていた。残り1・6㌔区間の工事が進められてきて、最終の今年度は道路の舗装をメインに行われており、まもなく完了する。

 完成すればみなべ町から田辺市内のショッピングセンター等へのアクセス時間が大幅に短縮され、住民の利便性が大きく向上する。並行する国道42号は通勤時間帯を中心に慢性的な渋滞が起こっていたが、バイパスの開通で解消が見込まれている。

 同区間の国道は海岸沿いを走っており、台風時には越波で通行止めになることが多く、さらに近い将来の発生が懸念されている南海地震の津波では浸水も予想されており、国道よりも山側に標高も高くなるバイパスは災害時の代替道路として大きな役割を果たしそう。バイパス沿いの山の法面には避難階段が整備されており、最大で標高27㍍地点まで逃げられることから、地域住民を守る命の道としても期待されている。

 3月20日は午後3時から通行できるようになる。