新型コロナのオミクロン株が猛威を振るっている。数年前までは感染症といえばインフルエンザが有名だったが、近年はコロナ対策のマスク着用や消毒などの影響か、感染者数は低い水準となっている。厚生労働省が公表した21年9月初旬から22年1月2日までの17週間の報告者数は355人で、歴史的に少なかった20、21年シーズンの522人をさらに下回るなど、2年連続低水準で推移している。マスクや消毒などの効果のすごさを実感させられるとともに、そんな中でも増加を続けるコロナの感染力の強さを証明している。

 そんなオミクロン株だが、重症化率や死亡率が低いという言葉をよく目にするため、かかっても軽い症状と思われがちだが、そうでもない場合もある。テレビで見た感染者の報告では、39度以上の熱と喉の激痛が数日続いたり、他の症状でも苦しめられたりと、入院するほどではないものの、一般的に「軽い」と言える症状ではないだろう。さらに致死率もインフルエンザより高い。ネットニュースなどによると最近の致死率は0・3や0・4%と以前のコロナより低くなっているが、0・1%と言われるインフルエンザと比べれば高くなっている。

 そんな中、オミクロンはパンデミックの「終わりの始まり」で「年内にコロナ終息」という予想もある。そうなることを願いたいが、現状では高熱などの症状に加え、インフルエンザより高い感染率、致死率を誇っており、十分気をつけるべき。重症化のリスクが高い高齢者や基礎疾患のある人に感染が広がらないようにすることも重要だ。重症化率が低いと楽観視することなく、これまで通りの対策を徹底したい。

(城)