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美浜の龍王神社 サケの絵馬を住民有志が作製

龍王神社で完成した絵馬を手に大江さん㊥と牛見さん(左から2人目)ら

 美浜町三尾の住民有志が、パワースポットとして注目が集まっている地元の龍王神社の新しいシンボルにしようと、サケの形をしたオリジナルの絵馬を作製した。かつて三尾からカナダへ移民し、サケ漁で栄えた歴史をモチーフに、龍にちなんで田辺市龍神村のヒノキを使用。薄れつつあるカナダと三尾のつながりの再興や、ほかにもたくさんある地域の魅力を発信するきっかけにしたいとの思いが込められている。

 作製したのは特定非営利活動法人日ノ岬・アメリカ村理事の牛見鉄子さんや、三尾のゲストハウス&バー「ダイヤモンドヘッド」オーナーの大江亮輔さん(39)ら地元の人たち。
 三尾漁港近くの龍王神社には境内を飲み込むほどのアコウの巨樹が圧倒的な存在感を示しており、龍の形に見えるとSNSでアップされてからは県外からも訪れる人が増加。アコウは別名「絞め殺しの木」ともいわれ、邪気を絞め殺すという意味からパワースポットとしても人気が高まっている。牛見さんや大江さんが神社再興への取り組みの一つとして、牛見さんが絵馬作りを発案、大江さんがデザインなど担当して形にした。元美浜町長の森下誠史さん夫妻らも協力した。

 サケは、三尾出身でカナダ移民の父といわれる工野儀兵衛に由来する。カナダに渡った工野はフレザー河を遡るサケの大群に驚き、三尾から多くの人を呼び寄せ、サケ漁業で成功を収めた。サケは三尾からの移民にとって生活の一部で、三尾とカナダを結ぶ象徴でもあることから、サケのデザインにした。遡上するサケは厳しい生存競争を勝ってきた意味合いから「必勝」や産卵のために戻ってくることから「子孫繁栄」「恋愛成就」などのご利益にも通じるという。

 神社の名前にちなんで、材料は龍神材を使用。龍神村の「蓑虫(みのむし)工房」に依頼して、おしゃれなサケの形に仕上げてもらった。カナダからの郵送依頼にも応えられるよう封筒に入る大きさと厚さにもこだわった。絵馬の片面には龍王神社の朱印を入れており、もう片面に願い事を書いてもらう。

 2月ごろをめどに、1個1000円からの寄付で一般提供する。まずは地元住民に龍王神社につけてもらうため、希望者に配布する計画。大江さんは「龍王神社にサケの絵馬が、まるでフレザー河を遡上するサケの大群のようにたくさんかかる光景を見てみたい。三尾とカナダのつながりが再び盛んになるきっかけにもなってほしい」と願いを込め、Iターン移住者でもある牛見さんは「三尾をはじめ美浜町にはほかにも魅力がいっぱいあります。これからも素晴らしさを発信していきたい」と話している。

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