新型コロナの第6波は一気に日本中をのみ込んだが、正月三が日までは表面上、まだ落ち着きをみせていた。初詣や行楽地がにぎわった年末年始、友人から立て続けにちょっと気の毒な話を聞いた。

 1件目は遠くに住む娘さんが帰省した女性で、その娘さんが年末に予約していた高速バスの話。雪がちらつく寒さの早朝、最寄り駅からバスが出発する駅まで行こうとしたところ、その間で貨物列車がまさかの脱線事故を起こし、電車が動いていないという。

 途中の駅まではバスで代替輸送するというが、高速バスの出発に間に合うかは微妙。代替バスに乗り、手前の駅からダッシュで電車に乗り換え、高速バスの出発駅までたどり着いたが、高速バスはすでに出発していた。

 彼女はバス会社に事情を説明、払い戻しをお願いしたが、答えは「NO」。系列の鉄道が脱線事故を起こそうが、「当社は事故をHP等でお知らせしている」「乗り遅れのチケットは払い戻せない」と、取りつく島もなかったという。

 2件目は、車で県外の神社へ初詣に出かけた男性。ナビが頼りの初めての街、土産物を買うため、1時間以内100円のコインパーキングに15分ほど止めた。戻って精算機を操作すると、料金はなぜか500円。よく見ると、下のおつりのところに、「年末年始は特別料金です」という下手な手書きのメモが張ってあった。

 管理会社に電話をかけて怒りをぶちまけたいところだが、新年早々、400円程度で喧嘩するのもバカらしい。たいていの人はのみ込んでしまうであろう、ギリギリの線をつくところがなんとも姑息で気分が悪い。

 家族に会いたい、休暇を楽しみたい。動けば動くほど、事故や災難のリスクがつきまとう。ご用心を。

(静)