認定証とバッジを手に宮所さん

 御坊市薗のスイーツ&ベーカリー「ボナペティ・ヤナギヤ」代表の宮所忠喜さん(65)が、一般社団法人日本ソムリエ協会のソムリエ試験に合格した。近年の合格率が30%前後といわれる難関を見事突破。「パンに詳しいソムリエという強みを生かし、ワインを身近に楽しんでもらえるようにしたい」と笑顔を見せている。

 「ヤナギヤ」3代目の宮所さんは家業を継ぐため東京の後、神戸でケーキとフランスパンを学び、24~25歳のときに菓子の本場フランスで修行。地元に帰り、1984年にケーキとパンの「ヤナギヤ」、90年に田辺店、2001年にカフェを増設・移転して「ボナペティ・ヤナギヤ」をオープンさせた。

 定期的にワインを提供するイベントを開く中、客の質問に答えられなかったのがきっかけになり、5年ほど前からソムリエ資格の取得に挑戦。今年の試験は7月に基礎知識筆記の第1次、10月にテイスティングと論述の第2次、11月にサービス実技の最終第3次があり、このほど認定証とバッジが届いた。

 ワイン、パン、チーズがあるのが日常だったというフランスでの生活から、日本でも日高地方でも、もっとワインをカジュアルに楽しみ、また、「ワインと料理」ではなく、脇役のパンに光を当てながら、ワインを身近に感じてもらえるオシャレな場所があったらいいなと、「立ち飲み屋」の雰囲気でワインとパン、軽食を提供する店を春ごろから開く予定。「何度も挑戦し、もうだめかと思っていたので合格できてうれしい。これからがスタート。単なるワイン好きではないとの自負を持ちながらも肩書に満足せず、資格の説得力に恥じないようにしていきたい」と話している。