新型コロナウイルスが急拡大している。10日の発表では、全国の感染者数は6438人、沖縄779人、東京871人、大阪499人。従来のデルタ株から感染力が強いオミクロン株に置き換わり、年末年始にかけての帰省や旅行などの人の動きで一気に感染が広がった。10日の成人の日や前後には成人式も各地で行われており、会場での感染予防は徹底されているものの、その後の懇親会などでさらに感染者が増える恐れもある。

 本県をみると、今年に入って4日2人、5日4人、6日13人、7日4人、8日8人、9日21人、10日45人と増加傾向。県内初のオミクロン株も確認され、和歌山市内での市中感染、高校生やライオンズクラブのクラスターも発生。県でも感染の第6波に入ったとの認識を示した。

 オミクロン株は感染力がこれまでのウイルスと比べて桁違いに強いが、ワクチン接種の効果もあって重症化のリスクが低いとされている。今回の第6波の急拡大の背景にはそういったリスクの低さや、ワクチン接種をしたことによる油断があるのではないか。しかし、重症化しにくいと言っても、感染者が爆発的に増えれば高齢者や基礎疾患のある人への感染も増えて、やはり重症化する人が出てくる恐れがある。また、現時点ではオミクロン株でも感染すれば入院や自宅療養の隔離措置が必要で、結局感染が拡大して多くの人の行動が制限されれば、経済活動も鈍くなる。すでに沖縄県では医療従事者が感染して、医療体制が逼迫する事態にも。専門家によると、オミクロン株がこのパンデミックの終焉を示唆しているとの見解もある。心の底からそう願いつつ、もう少し我慢。

(吉)