県は7日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が県内で初めて3人確認されたと発表し、和歌山も感染の第6波に入ったとの認識を示した。うち1人は市中感染とみられ、県内でも従来のデルタ株からオミクロン株に移り変わりつつあるとし、県民にまん延防止等重点措置区域(広島・山口県の一部と沖縄県)への不要不急の外出自粛や基本的な感染予防の徹底を呼びかけている。

 オミクロン株の感染が判明したのは和歌山市内の40代男性、海南保健所管内の40代女性、橋本保健所管内の女子中学生。うち40代男性は県外との接触がなく感染経路が不明。他の2人は県外由来の感染とみられる。いずれもコロナ感染が確認されたのち、県環境衛生研究センターでオミクロン株かどうかの解析が行われ、7日に確定。この3人以外にも15人がオミクロン株の疑いがあり、解析が進められている。また、7日発表されたコロナ感染者は20代から60代までの男女4人。保健所別内訳は和歌山市1人、岩出2人、田辺1人。いずれも大阪や東京への外出、県外からの家族の帰省による感染とみられている。県内感染者数累計は5327人、入院中は23人。

 県では▽まん延防止等重点措置区域への不要不急の外出自粛▽県外への外出は基本的な感染予防を徹底し、行き先の自治体の要請に沿った行動を▽無症状で感染に不安を感じる人はPCR検査等(無料)を受診(今月31日まで)▽新年会、同窓会の会食の際は基本的な感染予防対策▽ワクチン未接種者は積極的な接種検討――などを要請。学校・教育現場に対してはまん延防止等重点措置区域での部活動の練習試合を禁止とした。

 仁坂吉伸知事は臨時会見を行い、「和歌山も感染が増加し、第6波に入った。オミクロン株は感染しやすく、ワクチン接種済みでも気を緩めないでほしい。ただ、ワクチンの効果もあり重症化リスクは少ないとみられる。オミクロンの市中感染が発生したからといって全ての行動をやめろと言うつもりはない」と説明。野㞍孝子福祉保健部技監は「オミクロン株は比較的軽症だとしても、感染爆発を招くと高齢者や基礎疾患のある人の重症化も考えられる。第6波はまだ入り口で、予防対策の徹底と保健医療行政で感染爆発を食い止められる」と話した。