環境大臣賞に選ばれた作品 「獲物がいない」

 SGホールディングス㈱(京都市)が全国の小学生を対象とした「全国エコメッセージ絵画コンクール2021」で、湯川小6年、古田歩夢君の作品が最優秀の環境大臣賞に選ばれた。古田君は「獲物がいない」と題し、動物がどんどん減っていることを伝えようと、砂漠化していく世界で獲物を探している鳥(イヌワシ)をインパクト大に描写。「みんなに考えてもらいたいです」と話している。

 全国エコメッセージ絵画コンクールは子どもたちが絵画を通して楽しみながら、環境や未来について考え、環境意識を高める目的で14年から開催。19年度からはSDGs(持続可能な開発目標)をテーマに取り入れた教材で事前学習を行ってから絵画制作に取り組むプログラムに変更。環境問題をはじめ、子どもたちのSDGsへの意識向上に取り組んでいる。

 今回は過去最多の2万197点の応募があり、環境大臣賞、SGホールディングス賞それぞれ2点を含む、全106点の入賞作品が決定。東京都立大学都市環境学部教授の奥真美さん、東京都図画工作研究会顧問の福岡貴彦さん、環境広告サステナ代表のマエキタミヤコさんが審査員を務めた。

 古田君は、イヌワシのすむところが減っているという話をテレビで知って強く印象に残っていたため、イヌワシがすむ森が破壊されている状況を描くことでもっと多くの人に考えてもらおうとテーマに選んだ。イヌワシが一日中、食べ物を探して夕方になってしまい、物悲しい感じを表現した。

 審査員からは「獲物が全くいない、荒れ果てたかつての森をイヌワシがぼうぜんと見ている様子が強いインパクトを与える作品。こんな状態にしないために、私たちが何をすべきか、みんなで考えて行動しようという思いが伝わってきます」など絶賛。動物が好きという古田君は自分ができるエコやSDGsの取り組みとして、電気をこまめに消したり、水を無駄遣いしないようにしたりしており、表彰状を手に「うれしいです」と笑顔を見せている。