すがすがしい新年をお迎えのことだろう。昨年末から新年にかけて全国的には厳しい寒さとなったが、日高地方は好天に恵まれ、穏やかな三が日だった。天候もさることながら、今年こそは穏やかな1年になってほしい、そう願わずにはいられない。


 今年の干支は「壬寅(みずのえとら)」。干支は「十干」と「十二支」の組み合わせである。十干は古代中国の思想である、すべてのものは「陰」と「陽」に分けられるとする「陰陽説」と、すべて「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素からなるとされる「五行説」から由来する。これらを組み合わせて「陰陽五行説」といい、やがて「十干」に当てはめられるようになった。日本では「陽」を「兄(え)」、「陰」を「弟(と)」にみたてて兄弟(えと)と呼ぶようになったという。十二支は多くの人がご存じの通り。


 60通りある干支の組み合わせ一つ一つに意味がある。解釈はそれぞれあるが、壬寅には「冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力にあふれ、華々しく生まれる」や「厳しい冬をじっと耐え、芽が吹き始め、新しい成長の礎となる」などが挙げられている。中国では干支は植物の成長の過程を表しており、寅は「土から芽を出した状態」。まさにこれからを象徴する十二支の巡りあわせだといえるのではないか。


 新型コロナ禍という冬より長く厳しい寒さをじっと耐えてきた。春の芽吹きは生命力にあふれ、新しい成長の礎となるほどに。オミクロンの流行の兆しは気がかりだが、例え第6波があっても必ず乗り越え、今年こそは必ずや苦悩の2年を取り戻す、虎のような勢いのある1年になることを心から願って、1年の新たなスタートを切りたい。(片)