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体験を商品とした地域の活性

 先日、日高川町で生産量日本一を誇る紀州備長炭の魅力を堪能するイベントが行われた。観光資源の開発に取り組む町が主催で、イベントにはモニターとして県内各地から参加者が訪れた。イベントのメニューは、備長炭の窯や製炭工程の見学と作業体験のほか、火おこしや備長炭の火でコーヒー豆の焙煎、2㍍もある焼き鳥を焼いて食べたり、地元の飲食店が考案した備長炭を生かしたメニューの試食も楽しんだ。

 体験を通して、紀州備長炭の金属のような質感や、硬く締まった性質、燃焼時間の長さや遠赤外線効果で表面を均一に焼き上げるなど優れた特徴を紹介し、参加者には、一般的な炭とは全く違うものであることや、その魅力が十分伝えられた。しかし、このイベントの最終目的は、こういった体験型ツアーをメニュー化して観光や産業を活性させ、関係人口や移住者を増やすことにある。どんな体験にいくらの参加費を付けられるのか、モニターの意見を参考にしながら今後、体験ツアーメニューが構築される。

 正月になると各デパートで福袋の販売が話題になるが、この中身にも近年体験メニューが増加しており、定額で雑貨や食品など袋に詰め放題を体験する福袋から、プロのユーチューバーに動画の撮影や編集を学べるもの、地方のホテルに1週間滞在し、ワーケーションできるものなど価格も内容も様々。

 「貴重な体験」とよく言うが、何が貴重で何がそうでないか、その体験をしたいと思うかどうかは、これまでの経験や過ごした環境などによる。日高川町ではこのほかにも実証事業を行っており、地元民が見落としがちな「貴重な体験」をこれからどんな商品に磨き上げていくのか、とても楽しみで期待している。    

(陽)

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