チラシを配って啓発(ホテルグリーンヒル御坊駅前)

 暴力団排除を推進しようと、県警本部組織犯罪対策課と御坊署は21日、同署管内で暴力団等のない安全・安心まちづくりキャンペーン(暴排ローラー)を展開。宿泊施設や飲食店を回り、暴力団等からの不当要求行為を防止するための啓発を行った。

 ホテル・旅館など約50施設、通称「花しんち」「ロマンビレッジ」を中心としたスナック・居酒屋など約40店舗を対象に実施。同課と同署の約10人が班に分かれて訪問した。

 宿泊施設では暴力団員らの予約や宿泊、不当要求がないか、飲食店では「用心棒代」「みかじめ料」を支払っていないか、風営法を守っているかについて、それぞれアンケートでチェックし、チラシで「利用しない」「恐れない」「金を出さない」「交際しない」の「暴力団追放三ない運動+1」を啓発したほか、飲酒運転の根絶や特殊詐欺被害防止も呼びかけた。

 グリーンヒル㈱(柏木喜代美代表)のホテルグリーンヒル御坊駅前では、「暴排」の腕章をした警察官がフロントスタッフの奥彩華さんに説明。「暴力団などの反社会的勢力は宿泊させないでください。契約は自由なので断れます。宿泊カードへの記入を求め、拒絶する意思をはっきり示してほしい」と協力を求めていた。

 同課課長補佐の作部孝夫警部によると、県内の暴力団は現在7組織約90人を把握。山口組とそこから分裂した神戸山口組の暴力団対策法に基づく特定抗争指定暴力団の指定を受け、組員が多数で集まるなどの行為を禁止する「警戒区域」が設定されているが、和歌山県内の自治体は指定されておらず、他府県から和歌山へ来ての会合も考えられるとして「何かあれば、警察に相談、被害を届け出てほしい」と話していた。