防災研修を受ける職員(21日午前)

 今月3日に震度5弱の地震が発生した御坊市で21日、市の職員を対象にした防災研修が行われ、それぞれ今後の対応を確認するとともに防災意識を高めた。防災対策課の職員が講師を務め、地震対応を振り返って課題や改善点を共有。積極的な声かけや指示を待たず自分で判断して行動するよう求めた。

 3日の地震は午前9時28分に発生し、直後に職員や来庁者ら約200人が庁舎の外に避難。庁舎は耐震化できておらず、安全が確認できるまで待機し、11時20分に通常業務を再開した。

 防災研修は再任用や会計年度任用を含む全職員を対象に、21、22日の午前、午後合わせて4回、各回約40人が参加。防災対策課の大川秀樹主査らが講師を務め、「今回の地震対応を振り返って」をテーマに、「職員それぞれが感じたこと」「今回の地震の概要」「地震直後の行動」「今後の地震対応」「今後地震が起こった時の参集場所」について説明した。

 初めに担当職員が地震発生後まとめた「職員それぞれが感じたこと」を紹介。「取れなかった行動」では「『安全なところへ逃げよう』と声かけができなかった」「何をすればよいか分からなかった」という回答が多かったとし、直後の行動として大川主査が「『何とかなる』『自分は大丈夫』『誰かがしてくれる』は間違い。まずは身を守る行動をとって次に避難行動。声かけが大事です。職員には『逃げるよ』、来庁者には『落ち着いてください』『大丈夫ですよ』と声をかけながら避難してください」と呼びかけ、普段から対応を確認しておくよう強調した。

 今後震度4以上の地震が発生した場合、緊急地震速報が鳴ったらすぐに庁舎外へ避難し、命を守る行動を取るよう求めた。津波の恐れがなければ市民文化会館に一時避難し、恐れがあれば周辺の緊急避難場所へ避難。「尋常でない揺れのときは津波が来る。参集場所は湯川中だが、身を守るのが最優先です。参集とは自分で行くこと。誰も指示してくれませんので、自分で判断して行動して」と力を込めた。