焼き上がった炭をカットする断ち割り作業も体験

 日高川町は、生産量日本一を誇る紀州備長炭を新たな観光資源に磨き上げるため、18日、高津尾の製炭研修所などで魅力体感モニターツアーを実施した。

 県内各地から80人の応募があり、抽選で決まった小学生から70代までの20人が参加。オープニングでは、主催者を代表して役場企画政策課の岡本安生課長が「紀州備長炭をキーワードにさまざまな体験を楽しんでいただき、感じたことなど率直なご意見をお寄せください」とあいさつした。

 製炭者の湯上彰浩さん(34)=坂野川=が、製炭工程や原材料、紀州備長炭の特性を紹介したあと、参加者は焼き上がった長い炭を製品サイズにカットする断ち割り作業を体験。鉈を当てた炭を角をつけたウバメガシの台に軽く当て、「キンッ」と甲高い金属のような音を立てて割れた炭に、「おー」と歓声を上げ、黒く光る美しい断面を写真に撮るなどしていた。雪がちらつく厳しい寒さだったが、じんわり広がる炭火の温かさを感じながら、備長炭でのコーヒー焙煎も行った。

 午後は、鳴滝第2バンガロー広場で火おこし体験、町内の飲食店5店が参加した紀州備長炭を使った地元のジビエやアユなどの料理コンテストの審査、長さ2㍍の焼き鳥体験や試食も堪能した。

 町では同様のモニターツアーを来年1月22日にも実施し、料理コンテストのグランプリの決定や参加者のアンケート結果をもとに、体験ツアーのメニューを構築していく。