仕事がらよく電話を使うが、恥ずかしながら電話応対マナーは我流であり、決して丁寧ではない。調べてみれば「敬称や敬語を正しく使う」「会社の代表という気持ちを持つ」「もしもしは使わない」「相手の名乗りや要件を復唱する」など、いろいろあるが、実践できていない面も多々ある。


 自分のことを棚に上げてと怒られそうだが、あえて言わせていただきたい。それは電話で何かを問い合わせた時の相手側の対応。最初に電話に出てくれた人に対して簡単に要件を伝えて担当の方につないでもらうように言うのだが、最初に電話に出た人がその担当者にきちんと説明してくれていないのだろうか、要件を一から伝えなければ話が通じない時がある。ひどい時はさらに「私ではお答えしかねます」と言って別の担当者に電話を代わられ、またこちらが一から説明というパターンがあり、たらい回しが続くことも。


 新聞制作上というこちらの都合で慌てているのもあるのだが、せめてこちらが伝えた要件をきちんと次の人に説明しておいていただくとスムーズに話が進む。あせっている時などは時間を短縮しようとついつい「お伺いの件ですが…」と説明を省略して回答を求めてしまうこともある。


 ところが、筆者のこの聞き方も電話をかける側のマナー違反。話したい相手が電話に出たらもう一度名乗って要件から話を始めるようにするのが適切なマナーだそうだ。確かに、筆者のようなせっかちな電話応対では、相手側が不快感を持つかもしれない。相手の顔が分からない電話応対には、対面以上の気配りや思いやりが必要。師走の忙しい時だからこそ、電話1本にも心の余裕を持ちたい。

(吉)