森さん㊥に教わりながら収穫作業をする更井君㊨、玉置さん

 日高川町農業振興協議会の「若い農業者部会」(藏光俊輔部会長)が、実施している農育プロジェクトで、町内の高校生がミカンの収穫など農作業に取り組んでいる。


 「若い農業者部会」は日高川農業振興協議会の下部組織で、町内の50歳以下の農業者で構成。10年後の農業担い手づくりに取り組んでおり、将来を真剣に考える時期である高校生などをアルバイトとして受け入れ、農作業を体験してもらい、農業のやりがいや農家の生活等を紹介する農育プロジェクトを実施している。


 日高川町若野の森隆農園は更井慎太郎君(高校2年、和佐)と玉置華音さん(同3年、和佐)の2人を受け入れている。2人とも祖父が米作りなどをしていて、親の勧めもあって参加。収穫用のかごをけさ懸けにし、園主の森幹也さん(38)にミカンの収穫方法を教わりながら、1つずつ丁寧にはさみで切っていった。


 更井君は「家の近くでバイトができるのも助かるし、時給1000円も魅力。将来のことは農業も含め検討中で、ここでの経験も判断材料にしたい」。玉置さんは、「初めてのバイトで、思った以上に大変でした。ミカンに傷がつかないよう、大切に扱おうと気をつけました」と話していた。


 森さんは、「高校生が来てくれて収穫が例年より早く済みそうで助かります。この取り組みで、農業が将来の職業の選択肢に入る可能性が上がれば」。若い農業者部会の7園で町内の高校生らを受け入れており、現在は10人の参加が決まっている。