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戦没者遺族援護 御坊の間戸さんに大臣表彰

「皆さんのおかげです」 と間戸さん

 長年にわたって戦傷病者や戦没者遺族、未帰還者留守家族らの支援に携わった功績をたたえる2021年度援護事業功労者厚生労働大臣表彰の受賞者が決まり、県内で4人、日高地方からは戦没者遺族援護功労で、県遺族連合会理事で御坊市遺族会女性部長の間戸さと子さん(79)=湯川町財部=が選ばれた。生まれたときから父親を知らないさと子さん。戦没者の慰霊・顕彰事業、遺族の福祉向上に力を尽くし、青年部の結成に貢献した。

 さと子さんの父、田中時之助さんは1944年、激戦地の東部ニューギニア、ヤカムルで戦死。妻の綾子さんとの間に子どもは、出征後に生まれた長女さと子さんだけで、さと子さんは「父親の顔も知らないし、抱かれたこともない」。戦争遺児となり、国からの恩給がいまよりずっと少ない中、母と2人で苦労したという。

 2008年4月から県遺族連合会理事、御坊市遺族会女性部長を務め、同市出身者の慰霊・顕彰事業を行っているほか、遺族の福祉向上に貢献。遺族会会員が高齢化する中、孫世代による組織づくりとして、青年部の立ち上げの際には率先して若い世代を発掘し、遺族会の若返りや活性化に力を尽くした。

 受賞に「もったいないくらいうれしい。皆さんのおかげです。会員はみんな私と似たり寄ったりの年。若い人らの青年部ができてよかったです」と笑顔で話し、「瞬く間の80年。遺族会の活動で苦労はありません。役に就かせてもらって、いろんな輪の中に入れてもらい、楽しかったです」と振り返りながら、「(取材を受けた)きょう8日は日米開戦の日、感慨深いですね。戦争なんかするもんじゃない。私みたいな遺児ばかりになってしまう。平和な日が続いてほしい。孫らをそんな目に遭わせたくないです」と平和を願っている。

 今年度も新型コロナの感染防止で表彰式は行わず、受賞者宅に賞状が届けられる。

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