日高納税貯蓄組合連合会、御坊税務署、御坊納税協会は、今年度の「中学生の税についての作文」で9人の入賞者を発表。日高納税貯蓄組合連合会最優秀賞に由良の三橋華紗さん(3年)、御坊税務署最優秀賞に日高附属の寺井巴菜さん(同)、御坊納税協会最優秀賞に由良の川口奏さん(同)の作文が選ばれた。優秀な作文は全国審査に進み、各賞を受賞している。

 三橋さんは「当たり前を大切に」と題し、今年7月に熱海市で発生した土石流災害の救助や復興と税金の関係などについて書き、無意識に支払っていた税金に意味があるとつづった。全国審査では大阪国税局長賞を受賞。「今できることを努力して、社会に貢献できるよう頑張りたい」と話していた。

 寺井さんは「日本の未来に繋ぐ税」がテーマ。五輪やワクチンなど時事問題や自宅に届いたコロナ支援の地域応援商品券などに触れ、安心できる暮らしのために「税」は必要不可欠と訴えた。昨年に続いての最優秀賞と、全国納税貯蓄組合連合会優秀賞も受賞。「今年も入賞できてうれしい。税のことはちゃんと知っておくべきで、もっと知りたいです」と笑顔を見せていた

 川口さんは「たった二パーセントの力」として、消費税が増税されたことについてマイナスイメージから、自身の医療費や学校で1人1台導入されたタブレットは税金が使われていること知り、払う価値があると実感したことなどを書いた。近畿納税貯蓄組合総連合会会長賞も受賞し、「作文を書くために調べたことで税のあり方を学べ、いい機会になった。賞ももらえてよかった」と喜んでいた。

 このほか、御坊税務署優秀賞は河南の西山友梨さん(3年)の「身近な『税』から学んだこと」で近畿税理士会会長賞も受賞。御坊納税協会優秀賞は由良の上平安都葉さん(3年)が「税で守る命」で県納税貯蓄組合総連合会会長賞、日高納税貯蓄組合連合会優秀賞は、日高附属の三原菜結さん(1年)が「国民の暮らしを支える税金」で県租税教育推進連絡協議会賞、県知事賞は日高の嶋田倫也さん(3年)の「生活をよりよくする税金」、日高地方租税教育推進協議会賞は大成の小川華さん(3年)の「税の活躍」、美山の宮川千夏さん(2年)の「今の社会を支える税金」が受賞した。

 日高地方の今年の応募数は全20校から1729編が寄せられ、応募率は92・7%と今年も全国トップクラスで、近畿2府4県を管轄する大阪国税局内83税務署のなかでは群を抜いて1位だった。例年は表彰式を実施しているが、新型コロナの影響で昨年に続き今年も中止となっており、各校でそれぞれに表彰状を贈る。また、15日には、紀州鉄道の車内に高校、中学生の税の入賞作文を掲示する作文列車が運行される。昨年に続いての取り組みで、この日開催される出発式では大阪国税局長賞を受賞した三橋華紗さんが作文を朗読し、一日駅長に任命される。