写真=秘仏に手を合わせ般若心経を唱える参列者

 日高川町鐘巻、天音山道成寺(小野俊成院主)で28日に秘仏千手観音像中開帳が終了し、閉扉法要が行われた。この日で、逸見万寿丸の生誕七百年祭行事はすべて終了した。

 秘仏の御開帳は本来33年に1度だが、この秘仏と二代目釣鐘などを寄進した万寿丸の生誕700年に合わせ、半分の期間を置いた「中開帳」として公開していた。

 最終日には約500人が拝観。午後3時で公開を終え、4時から檀信徒や万寿会関係者ら約30人が参列して閉扉法要を行った。小野院主は「秘仏の千手観音様は亡き大切な人のように、見えないところから見守ってくださる仏様。扉が閉じている時の方が本当のお仕事ですが、この70日間は見えるところにいてくださいました。前の御開帳から16年半の平和に感謝を申し上げ、次の御開帳まで16年半の平和をお祈りしたいと思います」と話し、読経と参列者一人ひとりの焼香を行った。

 続いて本堂北側に移動して、皆で3・6㍍の秘仏を見上げ合掌。般若心経を唱えて感謝と平和への祈りを捧げ、扉が閉じられた。

 9月20日からこの日まで、1万5520人が拝観。小野院主は「道成寺の行事は雨になることも多いのですが、万寿丸関連の行事に関しては最終のきょうを含めてすべて晴天に恵まれ、万寿丸のパワーを感じます。安珍清姫、宮子姫に次いで道成寺を広く伝える仕事を果たしてくださった人物のことを、多くの方々に知っていただけたと思います」、万寿会の湯川宗一会長は「きょうで万寿丸七百年祭の行事は終わりましたが、これからも折に触れ、『ふるさとのヒーロー』のことを伝えていければと思っています」と話している。