写真=かわいらしい赤い実の千両を刈り取る中畑さん

 印南町の真妻地区で、鮮やかに色づいた特産の千両の収穫がスタート。正月用の出荷に向け、栽培農家では刈り取りや選別作業が行われている。

 JA紀州みなべいなみ花き部会千両部長の中畑隆一さん(69)=印南町崎ノ原=の畑でも、24日から刈り取りが始まった。中畑さんは約25㌃の畑に千両小屋を建て栽培しており、うち2・5㌃は4年前に拡張し植えた苗で、今年初めて収穫を迎える。JA出荷は来月6日からで、関西を中心に各市場で開かれる千両市に届けられる。

 「真妻の千両」は、実と葉の色が濃く茎が細いのが特長で、「繊細で美しいコントラスト」と市場の高評価を受けている。今年は、夏の暑さと乾燥で実の数はやや少なめなものもあるが、色づきはよく上々の仕上がりとなった。同部会では、昨年約1000万円の販売実績で、今年は1200万円、約7万本を販売目標に掲げている。

 同部会では会員が13人と年々減少し、後継者不足が課題。生産量の増加に取り組む中畑さんは「温暖化の影響か、年々作りにくくなっている印象ですが、新設した畑での収穫は楽しみ。千両は木の天に実がつく縁起もの。印南町の花にもなっているので産地を維持していきたい」と話していた。