写真=阿戸の大谷弾薬庫跡を見学する参加者ら

 由良町九条の会ゆら(池本護代表)と日高平和委員会(山本喜平代表)は20日、大阪府勤労者山岳連盟のメンバー12人を迎え、28人で町内の軍事戦跡巡りを行った。

 町公民館で1944年7月に行われた海防艦30号に対する空襲の映像を見たあと、役場駐車場にある紀伊防備隊本部跡石碑の前に移動。九条の会ゆらの小田憲さんから、紀伊防備隊の役割や海防艦についての説明を受けた。その後、阿戸地区の大谷弾薬庫群跡や神谷地区の特別攻撃艇「震洋」の格納トンネル群跡、白崎回天基地跡(白崎海洋公園)等を見学した。

 紀伊防備隊は発足当初は呉鎮守府に属していたが、41年以降は大阪警備府に所属。紀伊水道の海面警備と哨戒、海上交通の保護を任務としていた。大谷弾薬庫群は44年に工事が開始され、兵士の食料などを貯蔵していた。

 神戸市から参加した園敏雄さん(74)は「こういった戦跡を広く知ってもらって、たくさんの人に戦争の恐ろしさを感じてほしいと思いました」と話していた。