写真=完成した施設の前でテープカット

 JA紀州が建設していた、みなべ町にあるアグリセンターみなべの梅加工施設増改築工事が完了し、18日、現地で竣工式が行われた。旧施設の内部の改築と、新たな加工施設を増築。パック詰め作業の自動化や異物混入を防ぐⅩ線検査機を新たに導入したほか、最新の梱包機器、梅の洗浄室などを設け、梅干しの製造能力が1・5倍にアップ。より安全安心な高品質の製品製造が可能となり、ブランド力強化で販路拡大を図る。

 加工施設は選果場とアグリセンターみなべ事務所の間に完成。鉄骨2階建ての旧施設(延床面積約2300平方㍍)の内部の一部を改築、鉄骨平屋建て(947・55平方㍍)を新設した。

 加工施設ではJA紀州のオリジナルブランドとして人気が高い「tomato―ume(トマト梅)」や糖度11以上の極早生みかん・ゆら早生の果汁で漬け込んだ「みかんこい梅」、塩分ゼロに近い梅干しなど8種類の商品を製造している。夏場の需要に十分な供給量を確保することや、これまでよりグレードの高い世界的に信頼を得ている国際認証規格「SQF・HACCP」の取得のため、生産能力と一層の高品質化を目指して増改築した。

 これまでは商品を手作業でパック詰めしていたが、新しく自動容器供給装置を導入したことで、梅干し製品の年間製造量を400㌧から1・5倍の600㌧以上に増やす。加えてX線検査機で異物混入を防ぎ、安全安心の製品を提供していく。今後は1年後に「SQF・HACCP」を取得し、これまで少量だった梅肉やドレッシングを増産し、新たな販路を開拓する。

 竣工式には約60人が出席。芝光洋組合長は「夏場の需要に対応する製造能力を備え、より高度なHACCP認証取得が可能な施設に生まれ変わった。フル稼働させ、紀州みなべの南高梅のブランド力強化で取引先を増やし、消費拡大を図っていく」と式辞。二階俊博代議士のメッセージ代読や坂本登県議らの祝辞に続き、津村耕平専務が「今まで以上に品質のよい商品を全国の消費者に届け、日本一の産地を不動のものにしたい」と謝辞を述べた。

 総事業費は3億7837万6900円で、うち国から1億7198万9000円の交付金を受けた。設計・施工管理は県農業協同組合連合会、施工は三友工業㈱(和歌山市)、ナラサキ産業㈱(名古屋市)。