第5波の新型コロナがほぼ収束したといえるだろう。国内の状況をみると、一日の新規感染者が最悪だった8月20日の2万6000人から急激に減少。今は日によって二桁となることもある。県内でみても9月26日以来1桁以下で推移。第6波も懸念されるが、現状は感染を封じ込めているといえるだろう▼しかし、海外に目を向けると、ドイツでは今月11日の感染者が5万人を超え、パンデミック(世界的大流行)開始以降、感染者数は約500万人となった。隣の韓国でも猛威は収まることがなく、16日の新規感染は2125人。累積感染者数は約40万人に上った。このほかの国でも感染の勢いは衰えたとはいえない状況だ▼日本の激減は世界からも注目。高いワクチン接種率が要因の1つとされているが、それだけではなく医療機関や行政などの努力も大きい。手指の消毒、マスクの着用などを徹底し、国民総ぐるみの取り組みが功を奏したといえるだろう▼昨年から始まったコロナ禍では政府も積極的に支援対策を打ち出している。国民一人につき10万円を支給して経済を支えたほか、ダメージを受けた飲食店なども支援。他国でも同じような対策が取られたが、金額などを考えると日本の手厚さは世界でも上位に入る▼若者の間で「親ガチャ」という言葉が言われている。「ガチャ」とは、カプセルに入ったおもちゃなどが出てくるカプセルトイの「ガチャガチャ」「ガチャポン」の略で、選ぶことができない親によって人生が変わるという意味。それは生まれた国も同じこと。日本に生まれたことは、個人の考え方があるかもしれないが、決して〝ハズレ〟ではなさそうだ。国のために汗を流し、今の日本を築いたすべての人に感謝したい。   (雄)