写真=VR体験する参加者、ゴーグルには広大なバーチャル空間が広がっている

 日高川町鐘巻、道成寺参道のレストランあんちん1階にあるマーケティング拠点「OTERA MAE ANCHIN」(運営者=石倉大裕さん)は、新規運営事業の一つとして、VR(仮想現実)で県内の観光と物産展を体験し、実際の買い物もできるシステムの構築を目指している。8日は、日高川町の商工会館で説明会を開き、参画事業者や、県、日高川町の職員らが仮想空間での観光や買い物を体験した。

 拠点運営事業は国から委託を受けた全国商工会連合会の補助事業で県の魅力を発信するアンテナショップ。県内約40事業者が参画している。今回は第3弾プロジェクトの一つとして、VRを活用し東京や大阪など大都市圏とつながる販路拡大を目的に、システム構築のための補助金申請準備を行っている。この日は、IT会社でIOTを活用し、地域の課題解決支援なども行う㈱ウフル=東京都、白浜町など=の社員らが訪れ、システムの概要などを説明。参加者は、今年3月に東京で実証実験されたサクラの名所や渓流の散策スポット、美しい山の絶景、迫力の祭りや花火などを360度、立体的に体感できるVRのプログラムを体験した。3・5㍍四方のエリア内でゴーグルを着ければ、無限に広がる3D空間と、サクラや祭りなど実際その場にいるかのような臨場感を満喫。あまりのスケールに驚きと感動の声が上がっていた。また、各シーンでその場の特産品パネルが並ぶ物産展があり、商品をカートに入れる買い物も体験した。

 石倉さんは、「これが実現すれば、来られなくても和歌山の名勝、景勝地を巡ることができる。物産展も例えばシラスの釜揚げを体験してもらうなどいろんな展開ができ夢は広がります。初期費用はかかりますが、補助金を獲得できるよう、地域のために頑張ります」と話していた。