19日公示、31日投開票の衆議院総選挙の和歌山3区に5日、新党くにもり代表の新人本間奈々氏(52)が出馬を表明した。3区ではすでに現職二階俊博(82)=御坊市・当選12回=、共産党和歌山南地区委員の新人畑野良弘(61)=串本町=、ファイナンシャルプランナーの新人根来英樹(52)=田辺市=の3氏が立候補の構え。日本維新の会県総支部は6日までに擁立断念を確認しており、これで現職1、新人3の計4人の戦いが濃厚となった。

 総選挙は前回2017年10月以来4年ぶり。衆議院は解散があるため、4年の任期満了を待つことなく総選挙が行われることが多く、任期満了に伴う選挙は戦後2回目。任期満了(今月21日)を過ぎての投開票は初めてとなる。

 3区では昨年8月、畑野氏が「一人ひとりが安心して暮らせる社会。個性が輝くような社会を目指したい」と立候補を表明。以後、街頭演説や共産党の集会などに顔を出して知名度アップを図っている。今年1月には昨年4月の由良町長選挙に出馬経験のある根来氏が名乗りを上げ、「全ての人に公平な政治をしたい。地震や津波対策のため公共工事を進めなければならない」などと訴えている。

 二階氏は後継へのバトンタッチのうわさもあったが、今月2日の後援会組織選対会議であらためて立候補の決意を表明。自民党幹事長の経験や実績を武器に陣営は過去最高得票を目指している。本間氏は「打倒!二階俊博」を旗印に掲げ昨年10月、御坊市薗地内に事務所を設置し、今年6月からは拠点となる田辺事務所も開設。駅前などで街頭演説を行っている。

 日本維新の会県総支部は「3区候補者の人材が見つからなかった」として擁立を断念しており、8日の会見で詳細を説明する。

 3区では1996年に現行の小選挙区制が導入されて以降、三つどもえの戦いはあったが、4人乱立は初めて。前回選挙は一騎打ちとなり、二階氏が10万9488票を獲得、4万608票の共産党新人楠本文郎氏を破った。投票率は59・78%。