写真=選果機を次々に流れるゆら早生

 由良町里のJA紀州ゆら柑橘撰果場で5日、極早生ミカン「ゆら早生」の選果作業が始まった。20日ごろをピークに11月初旬まで東京、大阪、福島などに出荷される。

 ゆら柑橘撰果場の川口拓洋運営委員長によると、今年は8月の長雨などが影響し、低糖が心配されたが9月に入っての好天で糖度が回復。最近の夜温の低下で色づきも進み、「甘さと酸味のバランスがよく、おいしくて食べやすいミカンができた」という。Sサイズ中心の小玉傾向だが玉数は多く、今シーズンの出荷量は例年並みの340㌧を見込み、ゆら早生の中でも糖度11%以上に限定したブランド商品「ゆらっこ」は全体の4割を予定している。日高地方では、Aコープゆら店とさわやか日高に出荷される。

 昨年から新型コロナの影響で、トップセールスや試食販売もできない状況が続いているが、大規模産地と違い、機械と目視の両方で選果、仕分けする同選果場の商品は、市場での信頼が厚く、高評価。さらに、生産者や選果の様子などを撮影したPR動画を複数作成し、店頭に設置したモニター画面で流したり、スーパーマーケットとコラボした生産者のポスターを掲示するなど、生産者の顔が見える安心感で、他産地やほかの果実との差別化を図り、購入意欲高揚につなげていく。

 「ゆら早生」は、1985年に同町で栽培していた「宮川早生」の枝分かれとして発見。地元生産者が品質改良を重ねてきた品種で、柑橘類の全国人気ランキング1位となっている。
 県議会 8日午前10時からIR対策特別委員会を開く。委員には御坊市選出の楠本文郎議員、日高郡選出の冨安民浩議員、玄素彰人議員も入っている。