写真=釣り鐘バルーンと万寿会メンバー

 日高川町役場本庁ロビーに27日、高さ3㍍の釣り鐘バルーンが登場。今年生誕700年を迎えた「道成寺に釣鐘をよみがえらせた男」逸見(へんみ)万寿丸の功績や記念行事などをPRしている。

 直径は1・8㍍あり、5月に東京銀座の歌舞伎座に掲げ「万寿丸生誕700年」をアピールしてきたバルーンで、緑色の鐘に「鐘供養」「万寿丸」と書かれている。この日、役場の開庁前に逸見万寿丸生誕七百年を祝う会(万寿会)のメンバーが集まり、バルーンを設置した。湯川宗一会長は、「記念すべき生誕700年に、『地域のヒーロー』万寿丸のことを1人でも多くの人に知ってもらえれば」と話していた。

 逸見万寿丸源清重(へんみまんじゅまるみなもとのきよしげ)は南北朝時代、30年以上紀伊国矢田庄(きいのくにやたのしょう、御坊市と日高川町の一部)を統治し、道成寺の本堂の整備や秘仏千手観世音菩薩、二代目釣り鐘(現在は京都市の妙満寺が所蔵)などを寄進するなど、領内の神社仏閣の再興に貢献した。今年生誕700年を迎え、6月25日の誕生日に合わせて生誕祭を開催し、秘仏千手観世音菩薩の中開帳も行われている。

 10月24日からは、道成寺の二代目釣り鐘が里帰りし公開される。「二代目釣鐘お里がえり」は、町の紀の国わかやま文化祭2021の地域発信事業の一つにもなっている。