写真=本について話し合う参加者

 御坊市立図書館主催、「驚きの読書会」が12日、御坊市中央公民館で開かれた。

 「驚き」をテーマに、それぞれのオススメ本について語り合う催し。アメリカのSF作家レイ・ブラッドベリの近未来SF「華氏451度」、ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデのファンタジー「モモ」などが紹介された。

 「華氏451度」は絶対的な管理社会が舞台。国民を管理するため思想統制が行われ、「本」は読むことも持つことも禁じられている。主人公は政府に雇われ本を燃やす仕事をしていたが、こっそり持ち帰った本を読んだことから「書物の背後には人間がいる」と知り世界観が変わる。

 参加者は「これが書かれた時、アメリカはレッドパージ、いわゆる『赤狩り』の最中だった。ある意味、今の時代に通じるかもしれない」など紹介し、「知的好奇心や探求心、人間の『知りたい』という自然な欲求はどうしてもあるもの」「今の時代はネットに情報がはんらんしているが、これが逆に思考停止に陥らせているかもしれない」など話し合った。