写真=選果機を流れてくるYN26(JA紀州川辺果樹選果場で)

 日高川町入野のJA紀州川辺果樹選果場で10日、極早生ミカン「YN26」の選果、出荷作業がスタートした。県果樹試験場で開発され、2012年に品種登録された新しいミカン。最も早く出荷されることや、青い果皮に包まれた果肉が黄色く熟し、甘いのが特徴。今年は8月の長雨で心配された糖度も9月の好天で上昇しており、上々の出来。今月下旬までに約45㌧が大阪、東京などに出荷される。

 YN26は、県果樹試験場が2010年から約10年かけて開発した県オリジナル品種で、ゆら早生と紅まどかを親に持つ。見た目は青いが、果肉は熟し、糖度と酸味のバランスもよく、中の実を包む膜が薄くて食べやすいのが特徴となっている。JA紀州でも主力の極早生「ゆら早生」よりも早く収穫できるYN26の栽培面積増加を進めている。

 日高川町と御坊市の生産者が利用する川辺果樹選果場では7年前から取り扱いが始まり、年々出荷量を伸ばしている。現在は約65軒が8㌶で栽培しており、今年は昨年より約30%増やした45㌧の出荷を見込んでいる。

 同JA日高川営農販売センターの営農指導員によると、今年は早い梅雨入りなどで病害虫がやや多く、8月の長雨が影響して糖度ののりが遅れていたが、その後の好天で持ち直してきているという。今月1日時点の平均糖度は9度で、県ブランド「紀のゆらら」として出荷できる10度以上のラインも多数クリアしており、「糖度ものってきているので、今年初のミカンを食べてみてください」とPRしている。

 出荷は今月下旬まで続き、大阪、東京、長野などを中心に全国に出荷されるほか、同JA直売所などでも販売される。