写真=津村さんが製作した移動式のサルのおり

 日高町は、志賀の建設業、津村組代表の津村徳雄さん(71)に依頼し、サル捕獲用のおりを製作した。鉄パイプと金網を現地で組み立てて設置するタイプで、比較的簡単に設置場所を変更できる可搬式。従来、町内で一般的に使用されていた固定式より使いやすくなった。町内ではサルの農作物被害が深刻だが、今後のサル対策として期待されている。

 津村さんがサルのわな(おり)を作り始めたのは5、6年前。住民からの要望で、廃材となったビニールハウスのパイプを利用して初めて作った。おりに入ったサルがエサの上に置いた金網を揺らすと、シャッターの鉄柵が落ちて出口を閉じるという仕組み。以後、骨組みをハウスのパイプから鉄パイプに変えるなど改良を重ねた。昨年度は町内で176頭がわなで捕獲されているが、大半が津村さんのおりだという。

 町は昨年、捕獲実績のある津村さんに「設置しやすい移動式のわなができないか」と改良を依頼。津村さんは長男の佳秀さん(49)と共同で、軽トラックで持ち運べる組み立て式に変えた。狭い場所でも設置できるよう、横幅を1㍍から4㍍まで1㍍刻みで変更できるような工夫も加えた。町は7月下旬に住民に貸し出し、小中地内に仕掛けたおりで8月7日に1頭を捕獲したという。現在は返却され、今後もわなの狩猟免許を持つ住民に無料で貸し出す。

 津村さんは「サルによって農作物が被害を受けている。農家が作った作物を守れるように少しでも役立てれば」と話している。