写真=防災公園に避難した住民

 由良町小引地区で29日、早朝避難訓練が行われ、住民が高台にある防災公園に避難した。

 主催は小引区自主防災会(内芝善明会長)で、南海トラフの巨大地震を想定。訓練のテーマは「慌てず、落ちついて家族そろって30分間の避難行動」。

 早朝避難訓練としては今回が初めてで、住民に「いつ発生するか分からない」という危機感を持ってもらおうと実施した。夜明け前の午前5時、「防災公園に避難してください」と区内に訓練放送が流れると、住民が身支度して海抜20㍍にある防災公園に向けて家を出た。外はまだ薄暗かったが、避難路を上って53人が30分以内に無事避難した。

 同区には117人が住民登録されているが、老人ホームへの入居者や県外に出ている学生らを除くと、実際に住んでいるのは90人程度という。

 内芝会長は「早朝だったにも関わらず、約6割の住民が避難した。今回の訓練を機に防災意識を高めてもらいたい」とあいさつした。約6分で避難した大井博司さん(65)は「今回は訓練だったのでスムーズに避難できたが、実際は扉が開かなかったり、家の塀が倒壊したりしている可能性もある。大震災の時はスムーズに避難できない可能性もある」と話していた。

 町によると、南海トラフの巨大地震では第1波の津波が24分で到達し、高さは1㍍が予想されているという。