「Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課シリーズ」は、ウェディングプランナーを主人公にしたお仕事小説で、2016年ノベル大賞を受賞。19年には、ガンバレルーヤ・よしこ主演で映画化されています。

 あらすじ 〝絶世のブス〟ながらウェディングプランナーとして活躍する北條香澄。さいたま新都心にある、ホテルルミエ新都心には、今日もさまざまなお客さまがやってくる。新婦が子連れの再婚カップル。でも、お子さまがかなり落ち着きのない子で、小姑に「母親の育て方が悪い」と責められた新婦が結婚を取りやめると言い出した。何とか説得しようと川越にある新婦宅を訪ねたところ、自称〝意識の高いB専〟の変態・久世課長と一緒にお子さまの子守をする羽目に!? 香澄の〝ブスっぷり〟を愛する久世課長の求婚はますますパワーアップして、うっかりすると流されそうになる毎日。そんなとき、就職活動のために居候していた弟の芳輝が、帰る前に彼女を呼ぶことに。それを知った久世課長は、二人のためにホテルの部屋を取るなど、芳輝に取り入る画策を始めた。このままでは課長と家族ぐるみのつきあいになり、外堀を埋められてしまう…! 慌てる香澄だったが、外見だけは超イケメンの課長に芳樹の彼女が興味を持ってしまったようで…!?

 シリーズ4巻目。巻を重ねるたびにB専課長の変態ぶりは落ち着き、ブライダルコーディネーターのお仕事小説の色合いが強くなってきたように感じます。今回は3つの婚礼のお話で、どれも実際にありそうなお話でした。しかも、すべてスッキリ丸く収まるので、ストレスフリーで楽しめます。最後の親の想いのお話には、「そこまで思ってもらえるなんて幸せだなぁ」と、少し感動。所々挟まる課長の言動にも和みます。 (米)