新型コロナが猛威を振っている。県内の一日当たりの感染者数をみると、17日が67人、18日が64人、19日が84人、20日が90人と過去最多を記録。21日は80人、22日は74人が感染し、高止まりで推移。入院患者は22日現在で505人となり、病床使用率は91・8%に跳ね上がった。和歌山県はこれまでコロナ感染者全員が入院できる体制を維持してきたが、このまま増え続けるとそれが難しくなる可能性もある。

 全国的にも感染者が急拡大し、一日当たりの新規感染者数は2万5000人を超えた。要因としてはインドで初めて特定された感染力の強い変異株、デルタ株の存在。従来の新型コロナの感染者1人で平均1・4~3・5人くらいに感染させたが、デルタ株は5~9人に感染させるという報告もあるという。

 県内の感染者の年齢をみると、40代未満の比較的若い世代で感染者が多い傾向にある。高齢者が少ないのはワクチン接種がほぼ完了していることが要因だろう。全国では20日現在で1回目の接種が51・3%、2回目の接種が39・7%となっている。

 コロナの終息にはワクチン頼みとなるのが現状だ。感染リスクを下げるだけでなく、仮に感染しても重症化を防ぐ効果もある。死につながる可能性が低くなる。しかし、世界的にみるとワクチンは不足。河野太郎ワクチン担当相は「ワクチンの需要が高まり、全く打てない国もある。日本だけが『よこせ』という訳にはいかない」とし、追加調達をしない考えを示した。日本では、まだ十分とはいえないまでも、ワクチンを接種できる環境にはある。これを決して当たり前と思わず、状況を整えてくれるすべての人に感謝すべきだろう。(雄)