県は2020年中に県内を訪れた観光客の総数が、前年の3543万3000人より約3割減少し、2478万4000人となったと発表した。1989年以降で最少。4、5月に新型コロナの拡大防止に伴う全国的な緊急事態宣言が発令され、都道府県間の往来自粛、各地でのイベント中止などが要因とみられている。

 観光客総数の内訳は、宿泊が324万4000人(前年比41%減)、日帰りは2154万人(同28%減)。宿泊では特に外国人の減少が大きく、前年の50万1844人から一気に4万5005人まで落ち込み、前年比91%の大幅減。外国人観光客を誘致する国の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」が始まった03年以来、過去最少となった。

 日高地方の7市町で宿泊客が最も多かったのはみなべ町で、7万2072人。次いで御坊市(6万3548人)、日高川町(1万2884人)、由良町(1万2154人)、日高町(9668人)、美浜町(7685人)、印南町(1400人)の順。

 主要観光地別でみると、本紙エリアの龍神温泉・護摩壇山は35万4388人で、前年比45・2%減だった。

 県観光振興課は「7月以降、県のわかやまリフレッシュプランや国のGoToトラベルで一時は回復傾向になったが、11月下旬以降の新型コロナの再拡大やGoToトラベルの全国一斉停止などが影響し、再び減少幅が拡大した」としている。