写真=記者会見で「イジュ~レ」をPRする関係者

 吉本興業グループ所属の和歌山県住みます芸人のわんだーらんどが日高川町の若手農業者らとタッグを組み、2年前から耕作放棄地の維持管理等を進めて新規移住就農者獲得につなげようという取り組みで、日高川町産の甘夏を使ったジュレ「イジュ~レ」が完成。今月中旬からの販売開始を前に2日、町役場で記者会見が行われた。

 わんだーらんどは2年前、イベントのゲストとして日高川町の農業祭に参加。そこで農業を通じた地域活性化を目的に活動する「日高川町若い農業者部会」の藏光俊輔さん(藏光農園)と出会い、町内の耕作放棄地を再生する活動を手伝うことになった。

 甘夏を作っていた入野の耕作放棄地を再生して栽培、販売したが、甘夏独特の苦みなどから売れ行きは思わしくなく、県の関係者に相談したところ、県企画政策局の北廣理人局長から協力者として株式会社ふみこ農園(有田川町)の成戸文子社長を紹介された。

 どうすれば甘夏がもっと売れるようになるのか、加工するならどのような商品がいいのかを考えた結果、砂糖で甘みを加えた上で手軽に食べることができるゼリー状のジュレに加工することが決まり、商品名は移住促進の意味も込めて「イジュ~レ」に決まった。パッケージには和佐小学校2年生、中村縁さんが描いたイラストが採用された。

 今月中旬から発売され、価格は1個378円(税込み)。日高町方杭の温泉館みちしおの湯ほか、県内の道の駅などで販売される。

 この日の会見にはわんだーらんどのほか、久留米啓史町長、ふみこ農園の成戸社長、県企画政策局の北廣局長、パッケージイラストを描いた中村さん、泉正隆よしもとエリアアクション代表取締役社長らが参加。久留米町長は「これからも農地の維持管理、移住者獲得を積極的に進め、さらなる移住促進、観光のPRに力を入れていきたい。イジュ~レがその足がかりになることを期待しています」と述べ、わんだーらんどの2人も「最近はお笑い、漫才よりも農業がメインになっています。僕たちが丹精を込めて作った甘夏のイジュ~レをぜひ多くの人に食べていただきたいです」と話していた。