三重県鈴鹿市にある市立白子中学校の3年生が27日、日高町原谷を訪れ、地域特産の黒竹民芸品作りを体験した。今年4月に発足した紀州交流体験ゆめ倶楽部の誘致で、県外からの修学旅行生の受け入れは初めて。生徒たちは地元の原谷黒竹工房「ぴかいち」の金﨑まゆみ代表らから指導を受け、楽しそうに黒竹細工に取り組んだ。

 同校の修学旅行は例年東京方面で、和歌山へ来るのは初めて。新型コロナ感染者が少ないこともあり、他の地方のよさを知ることで地元のよさを再確認してほしいという思いで訪れた。3年生306人がみなべ町山内(紀州梅干館)での梅干し作り体験や湯浅町栖原(すはらシーサイドハウス)でのシーカヤック体験など6つのグループに分かれ、原谷の黒竹民芸品作りもその中の一つとして34人が参加した。

 黒竹細工の干支の人形などを作製・販売のほか、民芸品作り体験などの活動を行っているぴかいちのメンバー3人が講師を務め、生徒たちは段違いの花差し作りに挑戦。四角に組んだ黒竹を積み上げ、角に針金を通す作業を丁寧に取り組み、出来上がった作品に満足そうな笑顔をみせていた。

 生徒は「今までやったことがない体験をしたくて、このコースを選びました。竹の組み立てに慣れるまでは苦労しましたが、途中からは無心で取り組むことができました。帰ったら家の玄関に飾りたいです」と話していた。