県が2020年の国勢調査結果を発表した。県内30市町村の人口(昨年10月1日現在)などが速報値で示され、日高地方では日高町が15年の前回調査から32人(0・42%)の増加となった。調査は5年ごとに実施され、同町は95年の調査から6回連続の増加。日高地方7市町の合計人口は7万2168人で、前回の7万6345人から4177人(5・4%)減少した。

 県内で増加したのは日高町のほか、岩出市、上富田町の2市町で、最も増加率が高かったのは上富田町の1・67%。増加人数では岩出市の541人がトップだった。逆に最も人口減少率が高かったのは古座川町の12・24%、減少人数では和歌山市の7296人が最多だった。

 県の人口は92万3033人で、前回の96万3579人より4万0546人(4・21%)の減少。ピークだった85年の108万7206人と比較すると、16万4173人(15・1%)減少した。

 一方、世帯数は39万4455世帯で、前回の39万2332世帯と比べて2123世帯(0・54%)の増加。1世帯当たりの人数が減少傾向で、核家族化が進んでいるとみられる。

 人口増加が続いている日高町は比較的地価が安く、津波の被害が少ないことなどがあり、子育て世帯を中心に周辺市町などからの移住が多いという。このほか、日高地方の6市町はいずれも減少。減少率は美浜町が8・21%でトップで、次いで由良町の7・95%、みなべ町の7・21%、日高川町の5・66%、御坊市の5・29%、印南町の4・29%の順で、いずれも県平均の4・21%を上回った。減少人数では御坊市の1313人が最も多く、みなべ町の919人、美浜町の614人、日高川町の553人、由良町の464人、印南町の346人の順だった。

 今回の国勢調査の確定値は11月に総務省統計局から公表される。