写真=筋地内の園地で南高梅を収穫する舟越部会長

 JA紀州(芝光洋組合長)の主力品種、南高梅の収穫・出荷が26日からスタートした。おととし、昨年と2年続きの不作だったが、今年は豊作傾向で、雨が多かったため実太りも良好、品質も上々。新型コロナ禍で外出を控える人が多い中、自宅での梅ジュースや梅酒作りに人気が高まっており、消費拡大にも期待。日本一の産地みなべ町は、7月初旬まで梅一色で活気づきそうだ。

 梅生産者約1500軒でつくるJA紀州みなべいなみ梅部会の舟越公康部会長(52)=筋=は、26日から収穫を始めた。約1㌶で栽培しており、ほぼ青梅で出荷している。3年前から専業農家となり、高品質で希少価値の高い紅南高栽培にも取り組んでいる。「おととし、昨年と2年続きで不作でしたが、今年は3年ぶりに豊作傾向になってくれてほっとしています。品質も実太りも良好で、市場からもたくさんの要望をいただいているので、期待にこたえたい」と目を細め、「種が小さく、実が大きくて皮が薄いのが南高梅の特長。青梅は梅ジュースや梅酒、完熟梅は梅干しに最適ですので、ぜひ楽しんでほしい。新型コロナ禍、梅を食べて免疫力を高めてください」とPRしている。

 JA紀州みなべ営農販売センターによると、主産地のみなべ町と印南町合わせて約1500軒の生産者が2170㌶で梅を栽培している。今年の作柄は、21日に予定していた最終の着果調査が大雨のためできず、現在調査中でまだ集計できていないが、みなべ町の海岸線や晩稲地区を回ったところ、過去10年平均よりも少し多く感じており、現時点では豊作傾向とみている。収穫前までに雨がよく降ったことから数が多い割に果実肥大も順調という。

 青梅の出荷目標は2500㌧と平年並みを計画。昨年は過去最少の1300㌧にとどまっただけに、今年は収量増が期待されており、「これからは週に1回程度、適度に雨が降って、天候に恵まれることを願う。目標を達成して市場や消費者のニーズに応えたい」と話している。