写真=みなべ町内で着果調査する協議会メンバー

 JA、市町、県うめ研究所、日高振興局などでつくる日高果樹技術者協議会は21日、日高地方4市町で行った南高梅の着果調査結果を発表した。全体の着果数は過去10年平均値と比較して「多い(144%)」となった。主産地の日本一の梅の里みなべ町や印南町ではおととし、昨年と不作続きだったが、今年は今のところ生育は順調で、生産者は「活気のある収穫シーズンを迎えたい」と願っている。

 調査は19、20の2日間、みなべ町105園、印南町15園、御坊市6園、日高川町17園の計143カ所で実施。各園地で平均的な1樹を選定し、直径2㌢ほどの側枝2枝の枝先の着果数を調べた。

 主産地のみなべ町と印南町の100節あたりの着果数は9・6果で、過去10年比144%。地域別でみると、岩代・南部地区は12・6果、上南部は8・3果、清川14・6果、印南町8・4果と「多い」、高城は6・5果で「やや少」となった。御坊市は13・0果、川辺10・0果、中津15・8果でいずれも「多い」だった。

 果実肥大も順調で、主産地の平均は24・9㍉で過去10年平均比115%。地域別でも岩代・南部108%、上南部113%、高城130%、清川118%、印南町117%、御坊市と日高川町も116~124%で軒並み実は大きい。果実の重さも主産地の平均が10・5㌘で過去10年平均比160%となっている。生育は前年より3日程度遅く、平年より5日程度早い。

 日高振興局農業水産振興課は「今年は気温が高く雨もほどよく降っていて、着果はここ10年の中でも多く、果実肥大もいい。今後は気象条件やゴールデンウイーク明けの第2次生理落下がどれくらい起きるか、果実肥大によって作柄は大きく変動する。いい気象条件で順調に育ってくれれば」と話している。

最終調査は5月20、21日に行う。